電気代削減をサポート！工場の空調・設備にかかる電気代の節約方法とは？

工場の電気代の仕組み

工場に限らず、電気代は「基本料金」「電力量料金」「再生可能エネルギー発電促進賦課金」の合算で決まります。具体的には、それぞれ以下のように算出されます。

• 基本料金：契約電力（kW）×力率割引×基本料金単価（円／kW）
• 電力量料金：使用電力量（kWh）×（電力量料金単価（円／kW）±燃料費調整額（円））
• 再生可能エネルギー発電促進賦課金：使用電力量（kWh）×3.45（円）

「力率」とは、企業に供給された電力のうち、実際に使用された電力の比率のことです。力率が高い企業ほど電力会社にとっては上客ですので、割引が受けられます。力率85％を上回ると割引、下回ると割増と考えてください。

「燃料費調整額」は、発電に欠かせない燃料の調達コストに応じて発生する金額です。原油やLNG（液化天然ガス）といった燃料の輸入価格により毎月変動します。

「再生可能エネルギー発電促進賦課金」は、再生エネルギーの推進にあたり契約者が負担する金額です。契約者はこの金額を支払うことで、電力会社が国から買い取った再生エネルギーを利用できます。

工場の電気代が高い理由

コンベアーやプレス機などの重量のある生産設備を動かすためには、大きな電力が必要です。そして、使用電力量は電気代に直結します。工場を稼働させるために使用電力量が大きくなるため、家庭やオフィスと比べると電気代も高くなりやすいのです。

また電気代とは異なりますが、電力供給に必要な設備の維持管理コストも無視できません。電力会社の契約プランには「低圧電力（主に家庭向け）」「高圧電力（主に企業向け）」の2種類があり、工場は高圧電力での契約が一般的です。

主に家庭で使われる低圧電力だと、電力の供給に必要な設備は電力会社が維持管理します。しかし高圧電力だと、電圧を変換する「キュービクル」などの機器を、契約者が維持管理しなければなりません。こうした機器に生じるコストも、工場の経営を圧迫する要因となるのです。

工場の電気代を削減する方法

前述した電気代の仕組みを踏まえて、工場の電気代を削減する方法をお伝えいたします。有力な削減方法は、次の3点です。

• 電力会社や契約プランの見直し
• 使用電力量の削減
• 自社で発電する仕組みの構築

「基本料金単価」や「電力量料金単価」は、電力会社や契約プランによって異なります。電力会社や契約プランごとの料金を比較し、自社に合ったものに見直すとよいでしょう。

「電力量料金」や「再生可能エネルギー発電促進賦課金」は、使用電力量の抑制により削減できます。空調の温度を制限する、照明を消費電力の少ないLEDに交換するなどが代表例です。空調の温度制限とともに、室内温度を保ちやすい断熱塗装を施すのも効果的といえるでしょう。

なお、省エネ設備の導入に際して補助金を受け取れる場合がありますので、必ず確認してください。

また「契約電力」は、過去1年間におけるデマンド値（30分あたりの使用電力量）の最大で決まります。仮に30分間で大量の電力を消費した場合、デマンド値が上がり基本料金も増えてしまうのです。自社で発電する仕組みを導入し、蓄電池に電力を貯めるなど、デマンドコントロール（デマンド値の制御）を行うことで、この問題を防止できます。

工場の電気代削減に効果的な「自家消費型太陽光発電システム」とは？

自社で発電する仕組みを構築することも重要です。使用する電力の一部を自社でカバーできれば、結果として使用電力量の削減につながります。具体的な方法として挙げられるのが、自家消費型太陽光発電システムの導入です。

自家消費型太陽光発電システムを導入すれば、太陽光エネルギーから電気を生み出して自社で使用できます。天然資源に頼らないクリーンエネルギーですので、環境に配慮しながら使用電力量の削減が可能です。また、天然資源の高騰といった影響を受けないメリットもあります。